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入浴について
2019.04.26

銭湯のある生活~人とつながり、自分を整える時間~

銭湯のある生活~人とつながり、自分を整える時間~

新しい元号が発表され、令和に改元されるまでに数日となりました。昭和を懐かしむように、平成を懐かしむ日もそう遠くはないのかもしれませんね。懐かしむといえば、古き良き時代というのでしょうか、最近テレビコマーシャルにて、「縁側がある銭湯」がピックアップされています。下町北千住の銭湯「タカラ湯」には縁側があるそうです。「銭湯に行く習慣がある人」「縁側がある家に住む人」自体がとても少なくなっている中、銭湯文化が話題になっています。各家庭にお風呂が当たり前にある近年、銭湯や縁側がなぜピックアップされるのでしょう。

日本の入浴習慣の歴史

銭湯という施設が出来るまでにはどのような歴史を辿ってきたのかを見てみましょう。

沐浴と温泉文化

銭湯という施設ができるまでには、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。

サウナやお風呂に入ることを「入浴」といいます。その原点は、古代から世界各地で行われてきた「沐浴(もくよく)」にあります。

「沐浴」の「浴」は身体を洗うこと、「沐」は髪を洗うことを意味します。水や湯、水蒸気で身体や髪を清める行為や禊(みそぎ)のことを指し、宗教上の儀式や傷病の治癒、保健衛生、娯楽などを目的として行われていました。

特に宗教的な意味合いが強く、多くの宗教で水に親しむのは、罪や汚れから解放されるという考え方に基づいており、禊と同じような意味を持っていました。

日本では、神話である『古事記』において、伊弉諾尊(イザナギノミコト)が黄泉の国から帰った後、日向の橘の小門(おど)の阿波岐原(あわきはら)で禊払いをしたことが始まりとされています。

また、古くから知られる草津温泉、諏訪温泉、道後温泉などの温泉地は、約3,000年前から人々の生活の拠点とされていたようです。周辺からは縄文式土器や弥生式土器も発掘されています。

温泉の発見は神がかり的な現象と考えられ、病気やけがの災難除け、健康の保持、心身の浄化をもたらすものとして、「御神湯(ごしんとう)」と呼ばれていました。

奈良時代の『風土記』には、人々が温泉に入浴していたことが記されており、温泉の効能も広く知られていたことがうかがえます。

当時は、湯に浸かる沐浴よりも、蒸気を利用したサウナのような蒸し風呂が多く利用されていました。岩窟(いわや)や石室、岩室、土室に火を焚いて空間全体を温めた後、灰などの燃えかすを取り除き、熱気がこもった室内に入るという輻射熱方式の熱気浴です。

また、温めた室内に水分を含ませた筵(むしろ)や海藻類などを敷き、その上から水をまいて蒸気を充満させる蒸気浴も行われていました。

仏教と入浴の広がり

6世紀に仏教が伝来し、7世紀になると聖徳太子が仏教を積極的に取り入れたことで発展していきます。

仏教では、沐浴は仏に仕える者の大切な仕事とされ、その功徳(くどく)が説かれていました。そのため寺院には浴堂が造られ、人々の間に温泉以外で入浴する習慣も広まったといわれています。

奈良の大仏で有名な東大寺にも「大湯屋」と呼ばれる浴室がありました。そこでは「修行としての入浴」と、「衆生済度(しゅじょうさいど)」──迷い苦しむ人々を救い、悟りの世界へ導くという教え──の一環として入浴が重視されていました。

また、「温室(うんしつ)」は保健や病気の治療に用いる蒸し風呂、「浴室」は僧侶が身体を清めるための洗い場として使われていました。

こうした入浴文化が庶民に広まるきっかけとなったのが、東大寺や興福寺などの大寺院が行っていた「功徳湯」です。これは庶民の健康増進と仏教の布教活動の一環として提供されていました。

その後、多くの寺院で慈善事業として「施浴(せよく)」と呼ばれる蒸気浴や熱気浴が実施されるようになります。

この施浴が習慣となり、やがて積善(善行を積み重ねること)として公家や高貴な人々にも広まっていきました。そして鎌倉時代から室町時代にかけて都市部には公共浴場が誕生します。その多くは蒸し風呂であり、この入浴スタイルは江戸中期まで続いたとされています。

銭湯の始まり

寺院で行われていた施浴は、庶民にとって宗教的な意味だけでなく、ありがたい施しでもありました。人々はそこで入浴する楽しさを知ることになります。

平安時代には、京都に銭湯の始まりともいえる「湯屋」ができました。

また、貴族たちの間では、お茶をふるまうように湯をふるまう習慣も生まれます。この「風呂ふるまい」は庶民の間にも広がり、裕福な家庭が近所の人々に風呂を提供することもありました。

地方では、村の薬師堂や観音堂に信者が集まり、風呂を沸かして入浴し、入浴後には持参した酒や肴で宴会を楽しむ「風呂講」が行われていました。

江戸で銭湯が始まったのは、徳川家康が江戸に入った翌年頃とされています。『慶長見聞録』には、1591年に銭湯が建てられたという記録が残っています。

江戸最初の銭湯は蒸し風呂だったと考えられています。その後、膝ほどまで湯を張り、上半身は湯気で蒸すという、半身浴のような入浴スタイルへと変化していきました。

さらに、たっぷりの湯に浸かる現在のお風呂に近い形が登場したのは慶長末期頃です。

当初は桶に湯を入れていましたが、やがて桶の中に鉄の筒を入れ、その下で火を焚く方法が江戸で使われるようになりました。一方、関西では五右衛門風呂が主流でした。

明治時代になると男女混浴が減少し、銭湯は現代に近い形へと変化していきます。

さらに大正時代には近代化が進み、タイル張りの浴室や蛇口付きの水道設備が整備され、衛生面も大きく向上しました。

東京の銭湯文化

銭湯といえば、神社仏閣を思わせる宮造りの瓦屋根と大きな煙突を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

この特徴的な建築様式は、関東大震災後の復興期に生まれました。宮大工たちが人々を励ますために唐破風様式の豪華な銭湯を建設したところ評判となり、その後の銭湯にも広く取り入れられるようになったといわれています。

また、浴室の正面に描かれた富士山の背景画も東京の銭湯文化を象徴する存在です。これは大正時代に、お客様に喜んでもらいたいという経営者の思いから始まったそうです。

現在ではペンキ絵が有名ですが、かつては九谷焼のタイル絵が飾られている銭湯もありました。

銭湯が今も愛される理由

各家庭にお風呂があることが当たり前になった現在、銭湯の数は年々減少しています。建物の老朽化や後継者不足、経営環境の変化など、さまざまな課題を抱えているためです。

それでも、昔から地域に根付いた銭湯には今も多くの人が集まります。

特に高齢者にとって、銭湯は利便性の高い施設です。高齢者のみで暮らす家庭では、お風呂掃除が負担になることもあります。また、自宅での入浴には転倒や溺水、ヒートショックなどの危険も伴います。

その点、銭湯では清潔なお湯を利用できるだけでなく、広い脱衣所や浴室でゆったりと身支度ができます。さらに、人との交流が生まれることも大きな魅力です。

ちょっとした会話を交わしたり、顔なじみと挨拶をしたり。銭湯は単なる入浴施設ではなく、地域のコミュニティとしての役割も果たしています。

もちろん、これは高齢者に限ったことではありません。

大きな湯船に身をゆだねながら過ごす時間には、不思議と人との距離を近づける力があります。リラックスした空間だからこそ、自然な会話が生まれ、親しみやすい雰囲気がつくられるのかもしれません。

銭湯の楽しみ方

最近の銭湯は、ただお風呂に入るだけの場所ではありません。

季節ごとに変わる薬湯(ハーブ湯)や軟水風呂、電気風呂、サウナ、水風呂など、それぞれに個性があります。

また、井戸水を薪で沸かしたお湯は肌当たりがやわらかく、身体の芯まで温まりやすいといわれています。

さらに、都内でも天然温泉を楽しめる銭湯があります。遠くの温泉地まで足を運ばなくても、身近な場所で温泉気分を味わえるのはうれしいですね。

入浴料金も比較的手頃なため、気軽に利用できるのも銭湯の魅力です。

墨田区では、銭湯とカフェを一緒に楽しめる散策マップも公開されています。歴史ある銭湯や個性豊かなお店を巡りながら、下町の魅力に触れてみるのもおすすめです。

🔗 墨田区 銭湯&カフェめぐりマップ

※銭湯の入浴料金は地域によって異なります。最新の料金については、各自治体や関連団体の情報をご確認ください。

まとめ

銭湯には、歴史や文化だけでなく、人とのつながりや心身を整える時間があります。

広い湯船にゆっくり浸かり、日常の慌ただしさから少し離れて過ごすひとときは、現代だからこそ貴重な時間なのかもしれません。

また、銭湯によっては縁側や中庭、休憩スペースが設けられているところもあります。湯上がりにのんびりと過ごしながら、心までほぐれるような時間を楽しめるのも銭湯ならではの魅力です。

近所に銭湯がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

「銭湯のある生活」とは、単にお風呂に入ることではなく、季節を感じ、人とつながり、自分を整える時間を持つことなのかもしれません。

【湯上がり時間を快適に過ごすアイテムはこちら】

銭湯によっては縁側や中庭、休憩スペースが設けられているところもあります。湯上がりに風を感じながら、ゆったりと過ごす時間も銭湯の楽しみのひとつです。

吸水性のよいタオルやバスローブがあれば、湯上がりの時間をさらに快適に過ごせるかもしれません。

わたはシルクのような光沢と柔らかな肌触りに、軽さと吸水性に優れた生地

今治にある楠橋紋織(株)の「わた」をオリジナルカラーでオーダーし、山形にある自社工場で縫製をし、ローブにしました。
生地の厚さは約1.5mm、薄くて軽いローブです!バスローブとして入浴後に!
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「銭湯のある生活」を、もっと心地よく楽しんでみませんか。

※本記事は2026年6月24日に内容を最新情報に更新(編集・追記)しました。

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